■白内障手術の合併症

 白内障手術は、他の手術に比べると合併症が起こる頻度はかなり低く、安全性はとても高い手術と言われていますが、ごくわずかな可能性で、重篤なものから軽度で特に特別な治療を追加しなくても克服可能なもの、予想できるものから予想できないものまであります。

 当院では合併症が起きにくいと考えられる手術装置、コンステレーション、インフィニティー(アルコン社製)を採用しています。合併症が起きた時は、速やかに説明し対処して見え方に支障がないよう治療させていただきます。


チン小帯断裂

 水晶体(レンズ)を目の中に貼りつけている極小の繊維が、部分的になくなっていたり、弱くなっていて水晶体の張りがなくなった状態。
男性の方で年少時の喧嘩の外傷によるもの、野球などスポーツのボールの打撲によるものが多く、ある種の緑内障の方も頻度が高いです。
手術前に判るものも、判らないものもあります。このような症例に対して当院では水晶体嚢の安定化のため、水晶体嚢拡張リング(CTR)を用いた手術を行っています。

 以前は国内でまだ承認された製品ではなかったために、CTRの使用は個人輸入に頼らざるを得ませんでした。 国内でCTRが承認されるにあたり、18歳以上でチン小帯の脆弱・断裂のために手術の難度が高いと考えられる白内障の患者様に対し、水晶体嚢が損傷したりしないようCTRを挿入し慎重に手術を行います。
 患者様には、チン小帯の脆弱・断裂があり、その為にCTRが使用されていることを伝え長期的な経過観察を受ける必要があります。

IFIS(術中虹彩緊張低下症候群)
 前立腺肥大症に伴う排尿障害(α 1遮断薬)や降圧剤(α 1遮断薬)を内服している方に起こりやすい副作用で、術中に虹彩(茶色眼)が柔らかくなり、しっかり形状を保てず虹彩が切開創から脱出しやすくなったり、急激な縮瞳を来すことにより手術が困難になることをいいます。

・後嚢破損
 非常にまれですが、手術中に水晶体の後面が破れること。硝子体脱出を伴って、大きくなるとレンズを眼球に固定する必要があることもあります。


・水晶体落下
 主に1や2の合併症の後、レンズが嚢からこぼれ落ちること。硝子体手術が必要になる場合もあります。


・術後感染症
 細菌感染が目の中に起こること。非常にまれで、当院では開院以来(25年)起こったことがありませんが、早期発見と早期治療が必要です。


・黄斑浮腫
 網膜の中心が腫れて機能低下を起こすこと。軽度でほとんどは回復します。


・後発白内障
 術後しばらくして、レンズの後ろの膜が濁ってくること。外来でレーザーにて濁りを除去します。
当院採用のアクリルレンズでは頻度は少なくなってはきていますが、レンズのメーカーによりかなりばらつきがあります。
20%ほど。術後定期健診にて発見が必要ですが、治療は短時間で確実にできます。
院長は発症のメカニズム、予防、診断、治療などの多くの学会発表をしています。


・眼内レンズ度数ずれ
 眼鏡のレンズの度数が合わないことが、眼内レンズに起こること。
当院ではレンズの入れ替えを希望されれば行います。
当院ではzeiss社のレーザーを用いて目の大きさの正確な測定ができ、現在ほとんど起きないといった程度です。


眼内レンズ変位
 レンズが術後に予定の場所にない、または移動すること。時にレンズの入れ替えや位置修正を行う必要があります。
定期健診で軽度のうちに発見することが重要です。
さらにやわらかいレンズ自体が変形して見え方の質が低下することがあることを院長が世界で初めて報告し、診断治療方法を論文として発表しています。


駆逐性出血
 予測不能な目の奥の出血。異常な緊張、血圧の変動などが誘引とされますが 多くは原因不明。当院では25年間発症はなく非常にまれですが、絶対に0%であるとはいいきれません。当院では今後も0%になるようさまざまな工夫をしています。

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