白内障手術

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白内障手術とは

中村眼科では、白内障手術を開院以来7,862眼(2018年5月30日時点)施行させて頂いています。
安全で確実に手術が行われ、視機能向上にお役に立てるよう手術手技、機材の改善、スタッフ教育に努めています。
 

当院の白内障手術は世界最高レベルの極小切開
 

中村眼科で行われる白内障手術は、2007年より極小切開と言われる世界最小レベルの傷口で、3mmの小切開よりさらに小さい2.4mm以下の手術創の最小化、オジル超音波装置の併用による、難症例での安全性の確保を取り入れています。

 折りたたみ可能なアクリル眼内レンズ

内障手術で使用する眼内レンズは、2.4mmの切開創から眼の中に挿入する折りたたみ可能なアクリルレンズを使用しています。眼内レンズのシリアルカードは、患者様ご自身にお渡ししています。

手術の適応時期

視力の数字が同じでも見え方の質は様々です。
視力は、白内障の程度や進行を、患者さんが理解するのにわかりやすい指標ですが、手術の目的は、視覚の質、生活の質の向上であって、単に視力の数字だけで、手術の適応が決まることはありません。その他にも・・・・。

お一人お一人と誠実に向き合うことで、手術の適応を決めていかなければならないと考えています。

閉塞隅角症(PAC)及び閉塞隅角緑内障(PACG)の方
閉塞隅角症や閉塞隅角緑内障の方の治療は、レーザーで虹彩(茶色眼)に水の通り道を作ることで、ある程度進行を防ぐことができます。
加齢に伴う隅角症の原因は、白内障によって水晶体が少しずつ年齢と共に大きくなることや茶色眼の方にせり出てくることにより、黒眼と白眼の境目にある水の出口(角)を狭くして水の流れを悪くしていることです。
根本的な治療は、白内障の手術を行うことで、厚くなった水晶体を薄い眼内レンズに替えることで狭くなった水の出口が広がり水の流れが良くなります。手術後には、虹彩の後方からの押し上げがなくなるため、白内障がそれほど進んでいなくても早めに手術を行う場合があります。

 

■手術の術前検査

手術手技は、最新の情報なら色々なところで得られる情報と大きな差はないと思っていますが、施設により、進化の程度に差が見られることは事実です。検査機器の測定原理や得られたデータをしっかり解釈し、良好な視機能を得るためには、手術前の検査が非常に重要となってきます。
当院では、術前検査に用いる機械、手術の際の切開幅、眼内に小さく折りたたんで挿入できる眼内レンズ、乱視矯正術の併用など波面収差解析装置を用いた見え方の質の追究にこだわりを持って、質の高い視機能が得られるように努めています。
2008年4月からは老眼対応の眼内レンズも使用できます。

IOLマスター(眼軸長測定装置)

角膜表面から網膜前面までの眼軸の長さを眼軸長といいます。IOL マスターでは、眼に触れることなく、眼軸長を正確に 0.01mm 単位で測定します。
白内障手術では、濁った水晶体の代わりにアクリル眼内レンズを挿入することで視力を矯正します。IOLマスターで測定した屈折度数を計算することで、眼内レンズの度数を精密に測定することが可能です。

ウェーブフロントアナライザー(多機能型屈折検眼装置)

角膜屈折と眼球屈折の高次収差を比べることで、高次収差が、角膜もしくは内部(水晶体、硝子体、網膜)のどちらに起因するかを判断することが可能です。他覚的な見え方の評価や白内障の手術に使用する最適な眼内レンズの種類の選択に有用です。

CASIA2 Advance(前眼部画像解析装置)

前眼部(角膜、前房、虹彩、隅角、水晶体)を三次元撮影し、形状や位置を精密に解析することで、様々な治療や診断が可能な最新式の画像解析装置です。
角膜形状を球面・正乱視・非対称・高次不正乱視成分に分けて評価するフーリエ解析、角膜形状の各種パラメーターの経時的な変化をグラフで表示し、円錐角膜などの経過観察等に有用です。 水晶体やレンズの解析では、傾斜や中心ずれの定量解析することで、乱視矯正眼内レンズの挿入するIOL固定位置の予測、術後乱視矯正レンズの評価、強膜固定や縫着眼内レンズの確認が可能です。
白内障術前後の形状変化を示す差分マップでは、術前後の前眼部形状を比較し、隅角の開大度の変化を確認することで、狭隅角眼へのIOL挿入術の効果を確認することが出来ます。
緑内障関連ツールでは、前眼部断層像と各種隅角解析のINDEXを自動表示し、狭隅角眼観察に有用な、8方向の隅角と360°全周撮影することで、強膜岬を自動で検出し隅角解析をチャートで表示します。

白内障手術の流れ

準備

目薬をスタッフがスケジュールに沿ってさしていきます。
更衣室で手術着に着替えた後、軽い点眼麻酔をして眼を十分に洗います。
 

入室 術前消毒

ベッドに横になり、点滴、心電計、呼吸監視、血液内酸素飽和度測定装置、連続血圧測定装置が装着され、目の周りの消毒を行います。


手術の実施

1. 角結膜切開

0.5mmの切開を黒目の両端に入れ、細い注射針や器具が入るようにします。
2.0mmから2.4mmのステンレスのナイフで、目の中に白内障を砕いて流す機材の為の入り口を作ります。切開面は目の中の水が漏れないような鍵のような仕組みになります。

2. 前嚢切開

粘弾性物質という薬を目の中に入れて目の各部を固定し、水晶体の一番外にある前嚢という膜を、加工された針で切れ間なく直径5.5mmの円形に切り取ります。

3. 水流分離

水晶体と嚢を還流液(液体)を使って分けていきます。

4. 超音波乳化吸引

2.0mmから2.4mmの小さな切開面から超音波乳化装置の先端を入れます。
両脇から目の中に入れた器具と超音波メスを用いて、水晶体の嚢と呼ばれる薄い袋だけを残し、中身を割って溶かし吸引します。
当院では、主にプレチョップ法かフェイコチョプ法、時にデバイド アンド コンカー法というテクニックを用いて、効率よく余分なエネルギーは使わないように心がけています。
水晶体嚢にへばり付いた残りの水晶体を吸引装置で取り除きます。

5.眼内レンズ挿入

粘弾性物質という薬を再び目の中に入れて、角結膜の2.0mmから2.4mmの切開面から専用のインジェクターというレンズ挿入装置を用いて、折りたためる眼内レンズを薬の入っている水晶体嚢の中に入れます。薬をレンズの上下から丹念に取り除いて、切開面が鍵の様に働くことで眼の中から水が漏れないようにします。

6.術後消毒

バイ菌を殺す薬で消毒の目薬を点眼し、抗菌剤の眼軟膏を塗って手術は終了します。
 

7.術後の説明

手術後、回復室にて休息後お着替えをして、血圧測定、消毒を拭き取り、抗菌剤の点眼を行います。

クリティカルパス

中村眼科では2003年より下のような白内障手術計画書(クリニカルパス クリティカルパス)を患者様にお渡しして手術を行っています。
これは医療の質の向上、情報公開による透明性の確保などを目的にしてアメリカで開発されたものです。
日付などを記入し、目薬や内服薬の管理、手術後の様々な注意事項が把握できます。
 

眼内レンズの種類

単焦点眼内レンズ 「エタニティー ナチュラル ユニ W-60」

単焦点眼内レンズは、白内障手術で最も使用される一般的な眼内レンズです。
焦点が1ヵ所に合うため、手術後の見え方の特徴を十分にご説明した上で、事前に必要事項をお伺いし、個々のライフスタイルに合わせて、焦点をどの距離に合わせるのかをご相談して眼内レンズの度数を決定します。
アクリル製眼内レンズ「エタニティー ナチュラル ユニW-60」は、長期的な透明性維持が期待できるハイブリッドアクリル素材 、眼内(嚢内)での良好な安定性等を考慮した独自のデザイン設計、確実なQOVの向上が期待できる独自の非球面設計となっております。

乱視矯正用眼内レンズ(テクニストーリックワンピース)

テクニス眼内レンズは、レンズ自体に円柱度数が加入されており、術前乱視が軽減できる眼内レンズです。乱視の軸のマークが眼内レンズに刻まれており、術前の検査で、あらかじめ計算した乱視の軸にレンズのマークを合わせることで軸を合わせ、術後乱視を軽減させる効果があります。
テクニストーリックのTrix Fixデザインでは、支持部と光学部の三点固定によりレンズを後嚢に密着させ回旋による軸ずれを抑制し、また、オプティカルシナジーによって非球面設計が眼全体の球面収差をほぼゼロに低減し、色収差の少ない光学部素材を採用しています。
テクニストーリックカリキュレーターにより様々な患者データを把握でき個々のニーズに応じて正確なレンズ選択ができます。
つまり術後に予想される残余乱視を最小にするレンズ度数を選択して患者さまの乱視を矯正できます。

多焦点眼内レンズ(テクニスマルチフォーカル)

テクニスマルチフォーカルは、白内障手術時に使用する遠近両用眼内レンズです。
光学部に階段上の段差をつけて入ってくる光を回折現象により遠用と近用に分配し2ヶ所に焦点を形成させて像を結ぶ原理です。 テクニスマルチフォーカルのレンズ光学部後面は、全面回折構造で光配分量が遠近折半となるので瞳孔の大きさで見え方が左右されることなくシャープな見え方を提供できます。
スムーズな挿入のためにレンズの中央部の厚みを抑えたTri-fixデザインで、中心固定を高めるため光学部と支持部の三点で水晶体嚢内にしっかりと固定させます。 予想屈折値のずれをなくし長期にわたる安定性を保ちます。
また、様々なレンズ特性を利用し高照度下、低照度下で良好な見え方も提供します。低照度下においては、 最適な見え方を得るために重要である青色光を透過し色収差をより小さくすることで良好な見え方を実現できます。

多焦点眼内レンズを使用する白内障手術

選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。令和24月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。
当院は、多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。多焦点眼内レンズを希望される患者様には、詳細をご説明致します。
 

多焦点眼内レンズを使用する白内障手術の費用
 
 
選定療養+医療保険の自己負担分=多焦点眼内レンズ代金
となります。

白内障手術で使用する機械

手術顕微鏡 OPMI Lumera T

ZEISS社製

 

CENTURION VISION SYSTEM

Alcon社製

 

 CONSTELLATION ®Vision System

Alcon 社製

白内障手術の合併症

白内障手術は、他の手術に比べると合併症が起こる頻度はかなり低く、安全性はとても高い手術と言われていますが、ごくわずかな可能性で、重篤なものから軽度で特に特別な治療を追加しなくても克服可能なもの、予想できるものから予想できないものまであります。
当院では合併症が起きにくいと考えられる手術装置、コンステレーション、インフィニティー(アルコン社製)を採用しています。合併症が起きた時は、速やかに説明し対処して見え方に支障がないよう治療させていただきます。


チン小帯断裂

水晶体(レンズ)を目の中に貼りつけている極小の繊維が、部分的になくなっていたり、弱くなっていて水晶体の張りがなくなった状態。
男性の方で年少時の喧嘩の外傷によるもの、野球などスポーツのボールの打撲によるものが多く、ある種の緑内障の方も頻度が高いです。
手術前に判るものも、判らないものもあります。このような症例に対して当院では水晶体嚢の安定化のため、水晶体嚢拡張リング(CTR)を用いた手術を行っています。
以前は国内でまだ承認された製品ではなかったために、CTRの使用は個人輸入に頼らざるを得ませんでした。 国内でCTRが承認されるにあたり、18歳以上でチン小帯の脆弱・断裂のために手術の難度が高いと考えられる白内障の患者様に対し、水晶体嚢が損傷したりしないようCTRを挿入し慎重に手術を行います。
患者様には、チン小帯の脆弱・断裂があり、その為にCTRが使用されていることを伝え長期的な経過観察を受ける必要があります。
 

IFIS(術中虹彩緊張低下症候群)

前立腺肥大症に伴う排尿障害(α 1遮断薬)や降圧剤(α 1遮断薬)を内服している方に起こりやすい副作用で、術中に虹彩(茶色眼)が柔らかくなり、しっかり形状を保てず虹彩が切開創から脱出しやすくなったり、急激な縮瞳を来すことにより手術が困難になることをいいます。
 

後嚢破損

非常にまれですが、手術中に水晶体の後面が破れること。硝子体脱出を伴って、大きくなるとレンズを眼球に固定する必要があることもあります。
 

水晶体落下

主に1や2の合併症の後、レンズが嚢からこぼれ落ちること。硝子体手術が必要になる場合もあります。
 

術後感染症

細菌感染が目の中に起こること。非常にまれで、当院では開院以来(25年)起こったことがありませんが、早期発見と早期治療が必要です。
 

黄斑浮腫

網膜の中心が腫れて機能低下を起こすこと。軽度でほとんどは回復します。
 

後発白内障

術後しばらくして、レンズの後ろの膜が濁ってくること。外来でレーザーにて濁りを除去します。
当院採用のアクリルレンズでは頻度は少なくなってはきていますが、レンズのメーカーによりかなりばらつきがあります。
20%ほど。術後定期健診にて発見が必要ですが、治療は短時間で確実にできます。
院長は発症のメカニズム、予防、診断、治療などの多くの学会発表をしています。
 

眼内レンズ度数ずれ

眼鏡のレンズの度数が合わないことが、眼内レンズに起こること。
当院ではレンズの入れ替えを希望されれば行います。
当院ではzeiss社のレーザーを用いて目の大きさの正確な測定ができ、現在ほとんど起きないといった程度です。
 

眼内レンズ変位

レンズが術後に予定の場所にない、または移動すること。時にレンズの入れ替えや位置修正を行う必要があります。
定期健診で軽度のうちに発見することが重要です。
さらにやわらかいレンズ自体が変形して見え方の質が低下することがあることを院長が世界で初めて報告し、診断治療方法を論文として発表しています。
 

駆逐性出血

予測不能な目の奥の出血。異常な緊張、血圧の変動などが誘引とされますが 多くは原因不明。当院では25年間発症はなく非常にまれですが、絶対に0%であるとはいいきれません。当院では今後も0%になるようさまざまな工夫をしています。

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